ぼくは 存在しないほうが良かったのではないか よく考える  いま首を吊るとね かなしむひとがいるのです  かなしむというより 屍のようになってしまうだろう人が いる  それに荷物も片付けていませんし 多方面に迷惑がかかる  これは私の思い上がりでも構いません

だから、存在しなかったら、良かったんじゃないか。

でもね たとえば明日の朝から わたしという存在はなくなっていて もう、最初から全部なくなっていたとしたら。ぼくは すこし さびしい。愛されたことをほんの少しおもいだす  愛されていることを ほんの少し おもいだす     それなら いつでも ぼくは存在しない方がいいのだと 思い続けていたら 人に優しくなれるのかな 

ぼくがもしも存在しなくなったら きっと 世界の「さびしい」の部分と同化するだろう  なにをどうしても 誰かが何かをしてくれても なぜかぼくはさびしい 淋しくて 苦しい   もしもぼくが存在しなくなって みんなの中からすべて消えても 世界の さびしい の部分を ひとりぼっちにしないでね  でもどうか 世界の さびしい の部分とは 同化しないでね  どうか げんきでいてね